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2009年 01月 11日
HNKスペシャル「女と男」第一回を見た。
この世の中、何とか家庭や夫婦を維持せねばならない、社会的圧力が高まっている。 カミさんとも、なんとか連れ添ったほうが、研究生活上もいいだろう。 そのための方法論を模索しているが、この番組はなかなかだ。 そもそもうまくいかない夫婦の会話パタンは、批判→防御→見下し、ってパタンらしい。 ウチはその典型だね。その挙句、クリティカルになると、夫のほうが会話を打ち切る。 それも、ウチのパタン。最後には、コミュニケーションを避けるようになる。 それも、ウチのパタン。妻を分析してもよくないようだ。それも、ウチのパタン。 ま、基本的に打つ手はないと思うが、何とか、連れ添うだけの技術はあるにしくはなし。 この番組では、”夫が妻に質問すること”を薦めていた。 そうすることで、妻は自分に関心をもたれていると思うらしい。 ま、これなら出来るかな。 そして特に、”夢や人生で成し遂げたいこと”を質問し、理解しあうことがいいようだ。 ウチの夫婦には、最後の質問は、地雷の可能性がある。 純粋にそう質問したとしても、家内が自分への非難と取る可能性があるからだ。 つまり、”お前に理想や成し遂げたいことなんてないだろ”って 言われているように受け止める可能性があるのだ。 番組では、男が変わる必要がある、って言っていた。 もちろん、女が変わるはずがないから、男が変わるしかないがね。 2008年 12月 11日
論文を読むことは、科学者にとって重要な作業の一つである。読まねばならないものは多いし、セミナーなどもある。しかしながら、それに時間をとられすぎるのも考え物である。となると、いかに効率を上げるかを考えなければならない。ここでは、個々の論文の読み方ではなく、もっと中・長期的な読み方について考えてみたい。
セミナーなどの準備が、日々の研究作業に支障をきたさないためには、よほど前もってとりかかる必要がある。また、セミナーで紹介する論文は、可能な限りクオリティの高いものであるのがいいし、また、精読する労力をかけるからには、意義深い論文を選びたいものである。 そもそも論文は何のために読むのか。最新のトピックに触れるということもあろう。しかし、そのようなつまみ食い的なことをやる時間的余裕は残念ながらない。定期的に雑誌をチェックしたり、学会などで話をきいたり、人のセミナーをきいたりで補うしかなかろう。自分が読む論文は、あくまで、論文書きのためのまとまったレビューであるのが効率がよい。さらには、その先を見据え、レビューや本を執筆することも念頭に置きたい。今回、特に、年に1回、レビューを書く、ということを念頭においた、論文読みのマクロ戦略というものを考えてみる。 レビューは、せめて100本くらいの文献は引用したい。その中身は、起承転結や、序破急を考えると、主に3~4個のサブトピックに分かれよう。セミナー時には、そのサブトピックについてまとめるくらいのつもりで読む。しかしながら、年間、100本もの論文を精読するのは困難である。セミナーで紹介できる程度の精読は、論文の長さにもよるが、月に1本程度だろう。その1本は、レビューの中では、図を引用したりして、1パラグラフくらい使うかもしれない。だから、論文紹介用のレジュメを作るとするならば、著者のサマリーとは別個に、レビューにすぐ使えるような主観的なまとめのパラグラフを、レジュメの最後にでもつけるといいかもしれない。 レビューで引用するそれ以外の論文は、どれも一言引用である。これについては、pdfファイルの特性を利用して、他の論文でどのように位置づけされているかを確認しながら、取捨選択し、コロキウム的なレジュメを作るならば、その中で一言で記述しておけばよい。 いずれにせよ、以下の作業ということになろう。 1.今後、書くべき論文などをまとめて、どのようなレビューが3~4年程度の間に書けるかを考え、レビューの骨子を作る。 2.そのための文献検索を行い、主要な論文の意義付けを把握し、レビューの一部を書き、精読論文を選ぶ。 3.精読論文を読む。読んだら、レビュー全体の骨子が変化するかどうかを考え、変化するならレビュー骨子に修正を加える。また、精読論文の主観的サマリーをつける。さらに、精読論文中の引用論文などから、主要論文の意義付けを把握し、レビューを加筆修正する。 4.主要論文やそれらを引用している最新論文をブラウズし、精読論文を選択する。 5.1~4を繰り返し、レビュー全体を仕上げる。 このくらい体系だててやらないと、結局は効率があがらないよな。 2008年 12月 01日
パスポートや着替えといった当たり前のもののほかに・・・
変圧器(ただしACアダプタが電圧の違いに対応できるものならばもって行かなくてもいいかも) 寝巻き(日本のホテルと違い、おいてない) 歯磨き(上と同じ) 緑茶(最近、コーヒーがお腹に来るので) カロリーメイト(コンパクトな朝食や夜食) 靴(当たり前だが。ネクタイ締めてもおかしくないけど、踵つぶしても大丈夫なタイプがいいかな。ホテルや飛行機の中でスリッパ的に使えるから) ゴシゴシタオル(ま、これは個人的な趣味か) 小さな目覚まし(目覚ましのない部屋もあるから。ま、モーニングコール頼めばいいだけだけど) 名刺や主要な論文のコピーも持っておいたほうがいいかも。どこで誰に会うかわからないから。 2008年 11月 12日
アスペルガー症候群の子は大変である。
1.絶対に叱ってはならない。常に、肯定してあげなければならない。相手がどんなに間違っていても。こちらの筋の通った話が通じなくても。 2.迷惑をかけていても悪いと思わない(そもそも迷惑をかけているとは思っていない)。面倒を見てもらっても当然のように思っている。神様に、無償の愛を試されているのだ、くらいの気持ちでやる。 3.冗談や茶化しは通じないし、危険。全く、悪意がない言葉にも、地雷が埋まっている。 4.仕事の話は、きちんと日時を決めて、する。その日の話の最後に、次のスケジュールを確定する。その繰り返しを厳守する。ま、これは、コーチングの鉄則ではあったのだが。 5.トップダウン的に話さない。まずは、相手の話に耳をすます。まずは、本人の思いや疑問に添ってみる。これは、1に近いが、あくせくしていると、ついつい面倒で、やってしまう。 これらを、機械のように守らねば、付き合えない。 でも、これって、全ての学生との対応にも通ずるところがあると思う。 2008年 11月 11日
岡本浩一著「ナンバー2が会社をダメにする(PHP新書)」を読んだ。
ナンバー2が会社をダメにする (PHP新書 547) (PHP新書 547)岡本 浩一 / / PHP研究所 ISBN : 4569702228 スコア選択: 現在、私は、研究室で、ナンバー2の一人だし、将来、自分のラボを持ったとしたら、ナンバー2を必要とするだろう。 昨今、組織の不祥事が多いが、それにはトップだけでなく、ナンバー2の責任も大きいと本書では述べる。 著者は、組織的な不正は、組織の権威主義的な体質に起因する。権威主義的な体質の程度は、属人主義の指標で測ることができる。属人主義とは、物事を、各事を吟味することにより判断するのではなく、その物事を起こしたり提案したりした人物によって判断することを言う、と述べる。 さらに、不正は、個人の不正と組織としての不正に分けられるが、前者は規則やマニュアルの整備で防げるが、後者を防ぐことはできず、権威主義・属人主義を解消するように努めるしかなない、と続ける。 そもそも、権威主義・属人主義が助長されるのは、社会や組織に余裕がない時に顕著である(典型的なのはナチスドイツや軍国主義)。だから、研究費や業績の点で、余裕を持つ、余裕が持てるような研究運営、研究設定に努めねばなるまい。 ナンバー2がイエスマンであるというのは、権威主義の典型的な現われで、危ない。これを助長しないためには、もうトップがひたすらに人間を磨くしかないような気がするが、現実的には、私の実体験も含め、ナンバー2が、トップと独立性を保てるように、もっと、端的に言うと、トップと決定的に対立した場合に出て行けるようにしてあげておかねばならない。具体的には、 1.博士号は当然、持っていなければならない。これすらないと、全く身動きできない。 2.研究費を自力で取るように促す。現実的には、金銭的な自立性がないと、自分の思い通りにはできない。 3.トップの感知しないプロジェクトを持たす。この点がないと、世間からは、トップに使われているだけの存在と見られる。そのための、場所は施設が持てるように支援する。「あなたは、これこれの研究のために雇ったのだから、それ以外はだめ」と言っていると、結局、ナンバー2が自立した研究者になれず、結局は、つけは、トップにめぐってくるのである。 4.論文の弾数が増えるよう、支援する。結局、これがないと、研究費もとれないし、プロモーションもない。よい批判であっても、論文書きにブレーキをかけるようではだめである。 2008年 10月 31日
結論から言おう。歳をとった研究者が社会的価値を持ちつづけたいならば、後進のためにその身をなげうたねばならない、ということ。
そもそも高齢者に社会的責任はない。後は死ぬだけだから。 停年後も高い知的意欲を持ち続けることができることは、尊敬に値しないわけではないが、自らの自己満足でもある。自己を満足させるために、後進の邪魔をしてはならない。ましてや、自らが年長の者であったり、職権が高いといったことを示したいだけのために、後進の妨げをするなぞ、言語道断である。 自らの経験を何とか役立ててほしい、いや、その前提として、後進のために身を削りたいという真摯な態度のみが、高齢者の社会的意義である。 わたくしは、社会に必要とされ続けたい。ならば、そういう高齢者にならねば。 2008年 08月 15日
過去、15年にわたる学生さんとの研究を詳細に解析してみると、学生自身の資質うんぬんより、私自身の能力が大事だということがわかる。つまり、結局、うまく行ったときは、私自身が、研究の目標とそれを達成する手段に対して具体的かつ明確であったときであり、うまくいかなかったときには、(その時はベストを尽くしたつもりでも)振り返れば、やはり穴がある。まさに「リーダーの力以上にはならない」だ。
4年生で研究室を出る場合の研究は、なかなかよく出来た反面、4年生からそのまま修士に持ち上がる場合には、M1の時期に中だるみや自分探しが始まり、混乱する場合がある、ということに気づいた。後者の場合には、うまく、部局内の研究会などを利用するといいかもしれない。 また、モティベーション=興味、というわけでもないし、成功体験=満足というわけでもない、というのも解析して気づいた。つまり、100%の興味ではなくても、卒業がかかると頑張るわけだ。また、成果が出たとしても、それが本人の100%の興味でなければ、満足とは言えず、研究室を移ったり、能力があるのに就職したりする。 これら、および、「野村監督の言葉」に留意し、以下のような、「学生との対話の記録」をつけるというのはどうだろうか。 --------------- §.初期調査 ・希望進路(修士、博士に進むか、どんな職種、業種に就きたいか) ・興味や好きなこと §.4年生研究開始時の評価(5段階) ・①モティベーション[B](とにかく自分がやらねばという主体性) ・②研究内容への興味[B](研究内容を本当に面白いと思っているか) ・③感性[M](研究について、これは面白い・変だとか、疑問・問題点を提議できるか) ・④論理的・科学的思考[M](問題がわかっているか、筋道を立てて考えることができるか) ・⑤胆力[M](困難に直面する力があるか、解決法を探る努力ができるか、へこたれないか) ・⑥自立性[D](自分のアイディアで研究を進めることができるか) ・⑦他者との差別化への意識[D](自分の長所を伸ばし、弱点を克服しようとしているか) ・⑧献身度と模範度[S](学生や研究室に対して献身的か、模範的か) *B,M,D,Sはそれぞれ、4年生、修士の学生、博士課程の学生、スタッフ候補が身に着けるべき資質 §.4年生での研究 ◎目標と方法、期待される成果、うまくいかないときの次善の策 §.4年生卒業時の評価・修士進学時の評価(5段階) §.修士1年での研究 ◎目標と方法、期待される成果、うまくいかないときの次善の策 ・特別留意点:他からくる学生については、それまでの仕事とのギャップを埋めるように ・特別留意点:修士1年での区切りをどのようにつけ、発表するかに留意 §.修士1年中間の評価(5段階) ・特別留意点:モティベーションが低下していないかの確認 §.修士1年終了時の評価(5段階) ・特別留意点:博士へ進学できるかどうかへの評価 §.修士2年での研究 ◎目標と方法、期待される成果、うまくいかないときの次善の策 §.修士2年中間の評価(5段階) *逃げに入っていないかの確認 §.修士課程終了時の評価(5段階) §.日々の対話記録 ◎基本書式 ・日付 ・本人が、どんなことに疑問や困難を感じているか ・それを解決するため、本人自身が何かしたか ・指導者が、それらを解決するため、何かしたか ・上記評価を上げるため、どのような言葉を投げかけたか 2008年 08月 15日
§.はじめに
野村監督は、野球だけでなく人生の酸いも甘いも知り尽くした経験豊かな監督で、後進のため、多くの著書を著しておられます。特徴的なのは、その経験を故事や格言にまとめていることが多く、それらの言葉には、研究生活にも生きるものが多くあるように思います。つまり、監督=研究チームのリーダー(教授など)、コーチ=スタッフ(助教など)、選手=学生、野球=研究、勝利=研究成果・論文、などと読み替えていけば、そのまま研究の場面にも当てはまるものが多いように思います。それらを以下の観点で分類し、野球と研究の共通性と違いに留意しつつ、今後の研究生活への糧としたいと思います。 §.基本理念 「野球とは団体競技だ」「チームとしての勝利を目指して戦う」 科学というと、アインシュタインやニュートンといった特別な天才がひとりでやる、というイメージがなきにしもあらずだが、現在の研究、特に実験科学は、チームワーク以外に何者でもない。従って、 「“人づくり”“チームづくり”“試合づくり”」 人づくりがあって、研究室づくりがあって、初めて、よい研究成果が出る。だから、 「監督の最大の使命は選手の教育である」 リーダーやスタッフの最大の使命は、学生の教育であると心がけねばならない(ただし、スタッフもまた、育成せねばならない)。では何をまず教育しなければならないかと言うと、 「選手である前に、社会人であることを認識させて、最低限の常識や礼儀、マナー、しつけなど社会人教育を行うことが大切」 大学や大学院を出た人間に、最低限の品格がなければ、その人間は職場や社会の信頼を失ってしまう。それら最低限に、科学的・論理的思考の基本や、困難なことや新しいことに取り組む上で共通する技能を授けることが、大学教育の使命であるが、そもそも 「人間的な成長なくして技術的進歩はない」 つまり、学生個人の人間的な成長なくしては、研究も前進しない。なぜなら、困難なことに直面したときには、直面した当事者の人間的総合力が問われるからである。逆に言うと、 「人間形成は仕事を通じてなされる」 つまり、研究を必死で行うことで人間は成長する。 「念ずれば花開く」「“窮して変じ、変じて通ず”」「真剣にやっていれば、必ず行きづまる。それでも一心になってやっていくと、ひょいと通じるものだ。通じないのは、行きづまる段階までいく真剣さが足りないということ」 成長が必要ない、行きづまる段階までいっていないとするならば、それは、真剣に取り組んでいないということだ。 §.人づくり 「仕事を通じて人間は成長し、成長した人間が仕事を通じて“世のため人のため”に報いていく」 学生には、研究室を巣立ったあと、充実した人生を送ってほしいし、また、社会に必要とされる人となってほしい。そのためには、 「思考が行動を生み、習慣となり、やがて人格を形成し、運命をもたらし、そして人生をつくりあげていく」 研究室では、具体的には以下のようになろう。 ◎まずは、モティベーションを喚起せねば 「プロに入ってくる選手は子供の頃からお山の大将で過ごしてきたせいか、考える力が養われていないことが多い」 東北大の工学部の学生なんぞは、県立高校で上位の子が多い。このレベルには、激烈な入試や競争を経験した進学校の連中と違い、一番、“お山の大将”が多い。勉強の場面で、壁にぶつかったことが少なくないからだ。さほど、親に経済的な負担をかけてきたというわけではないので、 ①「“おまえは何のために生まれて、何のために野球をしているんだ?”と問いかける」 何のために大学に入ったのか、何のために大学院まで進んだのか、想像以上に自覚がない場合が多い。その自覚を促す一方、 ②第一歩としては、簡単かつ明確な課題(初期課題)を与え、 「教える前にまず選手にやらせてみろ」「なるべく教えるな。考えさせろ」「技術論は後回しにしろ。自主性、自立性を促すのだ」 具体的な方法は最初は教えずに、まずは、学生にやらせてみるのがよい。なぜなら、 「経験は思考を生み出す要素」「思考即ち考え方は人として生きていくうえでの起点となる概念であり、教育し、経験を積ませることでその重要性に気づかせることが「育成」の基本である」 だからである。したがってリーダーやスタッフは、 「監督やコーチは“気づかせ屋”である」「一人の指導者ができることは、ほんのわずかでしかない。それは、対象となる人間の内面を触発し、正しい方向へ自らが歩みだすように促してやることだ。」「教えないコーチこそ名コーチ」 を念頭におかねばならない。ただし、 「事前に選手たちをよく観察することだ。間違ったことをやっていても何も言ってこない者には、少し問題意識が高まるアドバイスをして、本人のなかに疑問が生じるのを待てばよい」「自分から教えを乞いにきたときこそが、教えるための絶好のタイミング」 を誤らないようにせねばならない。Helpfulであることは、信頼関係の第一歩である。 「“信なくば立たず”信頼関係がなければ人間同士で何かを成し遂げることはできない」 これらを通じて、多少なり結果が出ると、 「人を育てるということは、つまり自信を育てるということでもある。」「自信をつけさせるには、監督の采配で勝つこと」 さらに信頼関係が深まり、それだけでなく、 「結果が出たことに対して興味が湧き、それが好奇心へと発展するからだ」 学生は、モティベーションについては心配のない、1つ上の段階に至るであろう。 4年生の段階で、ここまでは克服しておきたいが、最悪の場合、このレベルで修士を出すことも念頭におき、初期課題を設定しておかねばならない。 「どのように接し、いかなる言葉を投げかければよいかは、相手次第。性格は千差万別であり、みな一様に褒めたり叱ったりしていたのでは、育つ可能性は低くなるばかりが、反発をくらって聞く耳すら持たれなくなる」 いずれにせよ、この時期までに、その人となりを十分に把握し、コミュニケーション法をいくつか確立しておきたい。 ◎学生が自分で考えられるようになるために 修士を出る段階で、最低でもクリアしておきたいのがこのレベルだ。大学院に重点のある大学なら、このレベルの教育に先生方は最も腐心なさっていることと思う。この段階の課題になると、リーダーやスタッフも、結果については必ずしも確証は持てない。なぜなら、もはや研究の第一線の全く新しいことに取り組んでいる段階であるからである。 ①「感性をみがく」「小さくて気づかないようなものにこそ、美しさがある」 私が常に言っていることの一つに、「“何か変だ”とか、“それはおかしい”とか、“これは面白い”という感性を大事にしろ。リーダーやスタッフにその場では論理で負けても大事にしろ。論理や科学的思考でリーダーやスタッフに今現在かなわないのは、仕方がない。論理的科学的思考は、トレーニングすればなんとかなるが、感性だけはあなただけのものだから」ということがある。 ②「シンキング・ベースボール」「ボールに明確な意思を伝えろ」「データ野球」「情報分析に基づいた根拠のある予測」「努力するセンス」「努力するセンスは“感じる”“考える”ことで磨かれる」 感性を大事にする一方で、論理的科学的思考も磨かねばならない。また、困難で未知の状況に立ち向かうための技能も養わねばならない。 「手抜きプレーや、目的を考えずにプレーした選手には、徹底的に叱る」「結果論で叱ってはならない」 なぜならば、 ③「恥を知らねば恥かかず」「きちんと自分の失敗を省みて、さらなるステップにいかすことが肝要だ」「“失敗”と書いて“成長”と読む」「失敗を生かせる者はそれを放置する者に勝る」 困難で未知の状況に立ち向かっているのだから、失敗して当然だし、そこから何かを見出すしかないからだ。だから、学生には、 ④「プロセス野球」「結果がほしければほしいほど、そこにいたるまでの内容を第一義的に考えなくてはならない」「(良くも悪くも)小事、細事が大事を生む」 を徹底せねばならない。けれども、 「努力しても結果が伴わないことはいくらでもある」 そんなとき、肝要なのは、 ⑤「“人には添うてみよ。馬には乗ってみよ”」 ちょっと本義とは違うが、共に考え、悩む姿勢を貫くこと。学生が出来ないときでも、 「“知”や“意”より先に“情”をもって選手と接する」 のがよい。なぜなら、 「人間は“情”感ずる」 つまり、その人のためを心から思う気持ちに感じるからであり、ゆめゆめ、 「現役時代に優れた成績を残した監督というのは、“自分ができたことは誰でもできて当たり前”という発想で指導を始めてしまう。そして、“おまえ、そんなこともできないのか”となり、選手は混乱して迷路に入り込んでしまうのだ」 というありがちな状況に陥ってはならない。 「“功名誰かまた論ぜん”自分のもてる力を存分に発揮するのなら、成功しようが失敗に終わろうが、そんなことは問題ではない」 という励ましも効果があることだろう。 ◎学生が研究者を目指すなら 博士課程の学生がこれに相当する。最近は、安易に博士課程に進むケースが多いが、そもそも、博士課程に進む段階で、“学生自身が自分で研究を展開できるか”について、きちんと判断し、そうでない学生には、進学を許すべきではなかろう。逆に、博士課程に進学させた以上は、何とか、研究者として独り立ちできるよう、あらゆる角度で助力せねばならない。しかしながら、ある程度、自分で研究できる学生といえども、単に研究が好きだ、といった者が多いように思う。けれども、研究職は狭き門だ。皆さん、優秀で、研究が好きで自分で研究できる程度では、なかなか、のし上がれない。 ①「アマチュア界のエースや四番に追いつき、追い越す方法は努力しかない」「他者と自分の“差”を明確に認め、それをもとに独自の道を模索してくこと」 を明確に意識している学生は少ないように思う。方向性やセールスポイントを明確に、しなければならない時期でもあるのだ。 ②「中心なき組織は機能しない」「チームの鑑を育てる」「“チームの鑑”の不断の努力と野球に対する妥協なき姿勢は、同じ現役として、他の選手にはダイレクトに好影響が及ぶ」 いずれにせよ、博士課程の学生によい人材がいると、研究室が好転するという例は枚挙に暇がない。 §.チームづくり チームづくりは、人づくりであるので、 「チームの鑑を育てる」 つまり、よい博士課程の学生や、スタッフを育てなければならない。しかしながら、どんなに優秀なスタッフや学生であっても、規律を乱すものには、厳しく接しなければならない(そういうスタッフや学生は“チームの鑑”ではないが)。もし、彼らが、「そんなの自由じゃないか」と言ったとしたら、 「チームのために働かない人間が、世のため人のために報いることなどかなうわけがない」 とでも言ってやればよかろう。一方で、 「組織はリーダーの力量以上には伸びない」「上に立つ者に信念がなく、自信も失ってしまえば誰もついてはこない」 研究室の現状は、リーダーの力量の鏡であることを常に自覚せねばならない。よって、常に思考と経験に裏打ちされた信念を磨かねばならない。しかしながら、全て自分の力で築いてこれたわけでもないし、築けるわけでもないので、 「“遺産”を受け継ぐ」 自分が仕えてきたリーダーのよいところを素直に継承すべきだ。むしろ、素直に継承したほうが、 「“自分たちこそ球界の盟主であり、日本のプロ野球を牽引しているんだ”という自負」「伝統」「無形の力」 を引き出すことができるかもしれない。 諸事結果、よい研究成果が出た場合でも、 「“功は人に譲れ”の精神」 後進を育てるためにも、功は、スタッフや学生に譲らねばならない。自分より秀でた才能を持つスタッフや学生がいた場合でも、素直にそれを認め、嫉妬してはならない。ただし、 よい結果であればあるほど、間違いがあれば取り返しがつかない。よって、 「肝心な部分は自分の目でデータを集めなければならない」 つまり、自分の目で確かめねばならない。リーダーはあくまで黒子であり、 「負けない野球」 なかなかまとめるのが難しい論文でも、世に出し、業績を切らず、安定した研究チームの運営に腐心せねばならない。けれども、安定していながら、 「変化を恐れてはならない」 のも当然である。 §.その他 ◎叱ることについて 「悪循環に陥っていたり、自己改革が必要な選手に、ほめるような“ゆとり教育”では、効果が低いとしか思えない」「叱られると、ほとんどの人が反発する。それで反発して“なにくそ”とやる気になればいい。さらに、相手が少し冷静になって、“なぜ自分はしかられたのか。才能があるから叱られたのではないか。なぜ、自分はそれに応えられないのか”と理解するようになれば、もっと大きなやる気を起こさせる」「叱ってもらえるうちは、まだ伸びる可能性がある。叱ってくれる人がいるのは、幸せである」 しかしながら、昨今に状況では、きわめて叱りにくい。ほめすぎはよくないと思いつつ、ついついほめてしまう。叱りやすくするために、「叱るということは期待の裏返しであること」「ほめるということは期待していないことであること」を機会を見つけて述べておくのも手かもしれない。 ◎身なりについて 「個性とは実に響きのいいフレーズである。その心地よさにあぐらをかき、髪を染め、長髪にし・・・。それは、“わがままな自己満足”にすぎず、単なる目立ちたがり屋が虚飾によって内面の拙さや幼さを隠蔽しているだけである」「真の個性は、他人の承認があって初めて成立するものであり、世のため人のために役に立ってこそ生きてくる個人の特性のことを指すのではないか」 いまどきの学生に、茶髪にするなというのは酷な注文だ。ただ、あまりにも酷い場合には、学会発表などの前には、「その姿で発表するのと、きちんとするのでは、どちらが君の結果を信用してくれる人が多いか考えてごらん」程度のことは言ってもいいと思う。 ◎日常 「本を読む習慣」 日々、「本を読んでいるか」と尋ねるが、学生は、意外に本を読んでいない。しかしながら、研究が人間成長なくしては進まない以上、他人の経験を吸収できる機会である読書は、困難に直面したときに一つ高いレベルから、判断基準をもたらしてくれるという意味で、必須ではなかろうか。 「コントロール=キレは、体のバランスが生命線である」 私は、学生に研究の“三角食べ”を勧めている。研究作業、思考、情報あつめ・文献読みを一日のうちに、バランスよくやるように、勧めている。全体として効率がいいと思うし、結果、学生自身の進歩も速まると思っている。精神衛生上もいいのではなかろうか。 「この時期が最も“説教タイム”には適している」 新年度や新学期、飲み会の席などでは、意識して、そういう時間を取らねばならない。 ◎研究者個人の心構え 「評価とは“生き物”であり、自分が気づかないうちにどんどん変化していく」「評価というものは、けっして自分で下してはいけない」「“こんなに頑張っている自分を褒めてやりたい”という心理は、人間の弱さの象徴」「“これだけの実績があって、自分でもよくやってきたつもり”と自己分析したところで、何の役にも立たない」 というのは、肝に銘じなければならない。けれども、結果が出ずに苦しんでいる最中に、 「盲千人、目明き千人」「見ている人は、ちゃんと見ているのだ。どんな仕事にせよ、信念をもって続けていれば必ず陽が当たるときがくる」 という励ましは、効果がないかもしれない。なぜなら、これは、“陽が当たった”人しか言えない言葉だからだ。それよりも、 「“世のため人のため”に報いていく」「“功名誰かまた論ぜん”自分のもてる力を存分に発揮するのなら、成功しようが失敗に終わろうが、そんなことは問題ではない」 という信念に殉ずる覚悟をはぐくんだほうがいいだろう。 §.野球と研究の違い ◎勝負の場面 ①そもそも何が勝負なのか? ここが一番違うと思う。競争の激しい分野ならともかく、敵が明確ではないし、何をもって勝ち負けとするのかが不明だ。わたしは、研究成果がでる=論文が出る、と思いたい。なぜなら、論文が出ないと研究業績にならず、研究チームを維持できないからだ。けれども、そう定義してしまうと、 ②学生の勝負の場が極めて限られる 修士で論文を出す子なぞ、そうそうはいない。したがって、研究室内の報告会や、部局内の発表会、学会の地方会、国内学会、国際会議という“勝負”の場面を、できるだけ演出したいところだが。もっとやっかいなことに、 ③学生にとっての勝負と研究室にとっての勝負が異なる はっきり言って、修士で出ようと思っているあまり意欲のない学生にとって、学会発表なぞは別にしたくないことだ。ましてや、論文を投稿するなぞは夢にも思っていない。しかしながら、そこでとまってもらうと、結局、その学生の仕事が宙ぶらりんとなり、それを論文化するのに、膨大な時間と労力がかかる。現在にいたるこれまでのわれわれ“コーチ”の苦悩は、この点に限られるといっても過言ではない。自分がリーダーになった場合は、せめて学会発表くらいは修士修了の条件としたいくらいの気持ちだ。“コーチ”ある現在は、そのあたりがもどかしい。 ◎プロの世界での淘汰 「一流は弁解せず、二流は責任を転嫁する」「一流となる選手は、他より多くの疑問を抱き、失敗から学び取る能力に優れているものだ。二流選手は、他人のせいにして失敗から学ばず、漫然と過ごしてしまう」「責任を転嫁する人間は、反省しないし、自己改革や修正を拒否する。きっと同じ間違いを繰り返す」 プロの世界では、結局、二流のものは、去らねばならない。しかしながら、研究の世界では、とにかく、目先の学生をどうにかせねばならない場面ばかりだ。“リーダー”になれば、“二流”の学生、つまり、学部卒業はともかく初期課題すら真剣に取り組まない学生は、“淘汰”できるかもしれない。しかしながら、これまた“コーチ”ある現在は、そのあたりがもどかしい。 研究の話からそれるが、“二流”なのが家族の一員だったらどうするのだろう。“淘汰”できるはずもない。困難を明示的に与えて、家庭内に深刻な葛藤をもたらしたくもない。どうすればいいのだろう。 §.終わりに 「言葉の重要性」「指揮官が力を発揮できる最大唯一の媒介は、“言葉”である」「“先方は、一夜漬けで覚えた知識や情報を聞こうなんて思ってはいない。だから、野球以外のことは、絶対しゃべってはいけませんよ”」 いずれにせよ、今後、これら、野村監督の言葉を、自分の体験に基づく言葉に置き換えていけるよう、精進したいと思います。 2008年 08月 13日
そう、英語力はないですが、最もだめなのは、質疑応答。インド人などの英語はさっぱりわからない。けれど、そもそも、わたし、人の話を聞いてない。すぐ、上の空。もっと相手に心を投げ出さなければならないかも。それよっか、トレーニングだと思って、必ず、メモとることにしようか。
・何をやって、どんな結果だったのか? ・それがどんな意味を持つのか? ・そもそも何が疑問なのか? この3点だけでも、メモをとる”修行”をいまさらながらしてみようかな。 2008年 08月 13日
「一粒で二度おいしい」とはよく言ったものです。多忙だと、1つの行為が複数の意義を持つようにしたいものです。科学者にとって英語は必須。少しでも向上したい。一方、文献調べも必須。また、朗読は脳によいかとうかわかりませんが、発音をいい加減にできないなど、メリットもあるし、また、実際、朝、朗読するって気持ちいい。そこで、
1.pdfの論文の要約を朗読する。 2.一読で、どのくらい内容を理解できているか、考える。 3.要約をコピーし、1文ずつチェック。 要点、大事な点は、SysemNeuroscienceブログへ。 一読理解を妨げた単語 (知らない単語、知っているけど意味を瞬時に思い起こせなかった単語) を調べ、個人辞書に登録。 4.一読で理解できなかった部分があったなら、それはなぜか、考える。 5.今後、ゼミで紹介する候補になるなら、ファイル名を、*.pdfから*c.pdfに変更 これなら、簡単で長続きするかな。
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